水曜首都高 -お盆編-

日本には、「お盆」といって8月13日ごろに先祖の墓参りをする習慣があります。おおくの場合、先祖の墓のある場所がファミリーの本拠地(これを日本人は「実家」といいます)なので、「お盆にお墓参りする」ことは「実家に帰る」ことを意味します。なのでこの時期は、生活拠点である大都市エリアと実家の間を移動することが、日本人コミュニティにおいて、一斉に大規模に発生します。
結果として、高速道路、鉄道、飛行機などの主要な交通ルートはおしなべてたいへん混雑します。
日本への旅行に際して、各地の祭りや花火大会に注目して、これと日程を合わせる場合も多いのではないでしょうか。先祖に対する感謝と敬意を根拠として行われる祭りは、その精神において「お盆」とシンクロしていますから、この時期にお祭り見物のために来日するのであれば、お盆の混雑に巻き込まれることは、一定程度折り込む必要があるかもしれません。といっても、日付は割と明確に決まっていて、今年なら 8/10土曜日から8/17月曜日までがおそらくはピークだったはずです。
さらにこの時期は、台風もかず多く「来日」するので、私たち日本人はいつも以上に天気を気にしています。こんな状況なので、日本旅行を計画するなら、いつもよりさらに「日本の風土や気候」を考慮する必要があるかもしれません。しかし、いま私が書いていることは「日本の夏」に関する基礎基本でもありますから、どんな観光ガイドにも書いてあるような気がします。どうでしょう?
そんなわけで私も、妻の実家に帰省しました。今回は、私たち夫婦の子の新しいパートナーを、妻の両親や姉妹に紹介するミッションがあり、いつもより機動力が求められましたから車を借り、それがたまたま、「日産ノート e-Power」でした。2日間借りて 300 km 走ったのですが、たいへん楽しかったのです。
理由を考えると「電気モーターだけで動くクルマだから」という点に尽きる気がします。ガソリンエンジンは積んでいますが、発電専用なので、動力はモーターだけです。両方を組み合わせて使う「ハイブリッド車」とは違うことが、大きな違いを生んでいると思います。
アクセルとブレーキとハンドルが付いてる点では確かにいままでと変わらないクルマだけど、内燃機関と、ハイブリッドと、純粋に電気モーターオンリーである場合と、それぞれに操作に対する反応の質が違います。私はそう感じました。だから運転体験として、思った以上に、知っているクルマとは別のモノでした。
東京都内に引っ越すと同時に、個人で車を所有することをやめました。日本では「タイムズ」と「三井」の2社が大規模にカーシェア事業を展開していて、特に東京都内では、至る所で安価にクルマを調達できるのです。こうした状況を知って、東京で暮らす間はこれを利用すればよいと考えて、クルマの個人所有をやめました。
以前はクルマについてあれこれ考えましたが、所有の対象でなくなってからは関係が単純になりました。今回、人を乗せて移動できれば車種は何でもよい状況で、2日連続で借りられることだけを条件にクルマを探したところ、たまたま日産ノートに空きがあったのです。こんな出会いではあったけど、電気で走る車を堪能して、おおいに魅了されました。